自治体における業務棚卸の必要性

 様々な経済指標が、将来についての予測値などを出していますが、人口増減に関する将来予想については、ほぼ間違いない数値が現れていると考えられます。

 先月、総務省が発表した住民基本台帳に基づく2012年3月1日時点の人口動態調査の結果、総人口は1億2757万5000人で、前年同月比マイナス35万4000人となりました。
(そのような中、特筆すべきは年齢別推移では65歳以上の人口が60万6000人の増加)

 また、将来の人口推移については、
2020年:1億2410万人
2030年:1億1661万人
2040年:1億727万人
2050年: 9707万人ということで、今から約38年後には1億人を割り込んでしまいます
(社会保障・人口問題研究所様資料参照)

 また、三大首都圏の人口比率が全国の約50%を占めるという状態から見ても、首都圏以外の地域においては、表面に出ている数字以上の厳しさがあると想定できます。

 これらの対応策としては、個別の自治体レベルで対応できる内容ではなく、国の政策レベルで根本からダイナミックに手を打たなければスピードに対応できませんので、政治、官僚、様々な分野で議論がされています。

 しかし、どういう形で政策が進展しようとも、多額の地方交付税が配分されたり、昔のように、ふるさと創生事業のような資金が配分される事は考えられません。

 自治体は自らの体質・地域特性を分析した上で、すぐそこにまで来ている新時代に対して、どういう体制で挑むかを考えなくてはいけない状況になっています。

 最近、各地の首長様とお話をしても、地域の活性化より、「地域の維持」をどうするかが課題という話題が多く出ますが、まだまだ手探り状態といえます。

 そもそも、「自治」とは、「自分たちの事を、自分たちで行う」という意味であり、そこに「自分たちの責任をもって」という言葉がついてくるわけですが、昨今の自治は、行政に任せっぱなし。という事が多いのも事実です。
 
 自治体として、すぐにでもできる事は、「民間にできる事は、どんどん民間に任せる」ということです。自治体としては、彼らが活動しやすい環境つくりをする事で、更なる活力を誘発する事もできますし、もうひとつの仕事として、住民がまちづくりに参加しやすい環境をつくるという事も必要であります。

 これらは、「自治と協働」の精神によるところですが、基本的概念としては重要な事と考えます。

 民間であれば必ず実践している事ですが、自治体においても「各業務の分析」「業務のたな卸し」をしっかりやる所からスタートします。(過去に業務棚卸をした場合でも、時代の変化により再考する必要があります)(しっかり実施している自治体もあります)

 職種、人、項目、目的、時間などを中心に仕事の洗い出しを行い一覧表にします。
その一覧表をみると、同じような項目で、無駄やダブりが多い事に、すぐに気が付きます。
また新たな気付きとして、複雑化した業務を事業別、目的別に見ることができ、全体の把握もできると共に、それぞれの業務の必要性なども再認識する事ができます。

その先の分析にはテクニックが必要ですが、最終的には、①どうしても自治体が行わなくてはいけないこと。 ②現状では無理だが、何かをすれば、民間に任せられること(協議会などの新組織運営も含む)。 ③すぐにでも民間に任せられること。などの分類をしてみます。

 民間企業でも、自分の仕事分析とチェック、全体に与える影響などを一日の行動パターンを元に分析してみると、意外と書く事が無い上に、無駄な仕事をしていることに気付きます。

 自治体の場合には民間企業と違い、分析が難しい部分もありますが、掲げるビジョンや目標に対して、施策や事業の仕組み、組織の仕組み等のベクトルがきちんと合っているかという分析もできます。

 現場の人は、この分析作業をとても嫌がりますが、コンサルに任せてでも、是非とも実践して、新しい時代に立ち向かう為の改革に取組んでみて欲しいと思います。

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