生活保護制度問題を考える


 本日のニュースでも取り上げられましたが、厚生労働省によると11都道府県にて最低労働賃金より生活保護金額(時給計算)の方が高いという現象があると発表されました。

 昨年度までは3つの都道府県でしたが、今年度は11都道府県に増えました。
公表されている地域は、北海道、青森、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、広島の11地域であり、その中には、首都、東京をふくめ、ほとんどが政令指定都市であるという事に着目しています。
 
 地域間格差の問題で、地方において、このような現象が起きているのであれば、まだ理解できますが、首都を中心とする政令指定都市でこのような現象が起きているのは、やはりゆがんだ事象が起きていると言わざるを得ません。
 
 そもそも、生活保護制度というのは、厚生労働省によると、「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度」と定義されています。

 ここで考えたいのは、自助努力をしたうえで、やむを得ない場合には、国が最低限の生活レベルを保障するという「本質」を、どう捉えるかです。

 この問題もやはり、時代の変化に対応できていない大きな課題の一つといえます。
 昨今の社会情勢、経済情勢、首都圏一局集中を考えると、まったく時代の変化に対応していない制度と言わざるを得ません。

 だから、最低賃金で働くよりも生活保護の方が高いという事が起こるのです。

 この制度を悪用して利益を得る人が出るのは、制度に矛盾があるからです。
そのせいで、本来しっかりと援助しなくてはいけない人々への支援が手薄になっていることも否めません。
 
 これ以上の批判は控えますが、今の日本においては、悲しいかな、問題が明確になったとしてもメディアが取り上げ、世論が動かないと、政治、制度改革が動き出しません。

 メディアの報道も、時には偏った報道により民間大衆を違う方向に導くこともありますが、この問題に関しては、その議論を含め、もつと情報発信をしてほしいところです。

 有識者によるパネルディスカッションもよし、テレビによる継続的な自治対談でもよし、正確な情報を国民に示すことが国民の不満解消、気づき、理解、政治への信認を得る政治の第一歩と考えます。

 ちなみに、最後に一つだけ言わせて頂くと、生活保護制度の適用を受けると、納税の免除や医療費の免除などがある場合があるので、普通のサラリーマンの年間給与650万円の人と、ほぼ同じ生活レベルという試算もあります。

 必要最低限の生活レベルが年収650万円?

これはショッキングです。

 ちまたでは、生活保護を受けている人で、体を動かせる人は、国からお金を援助してもらっているのだから、社会貢献活動や地域防災など国の為の活動をすべきという意見も日に日に大きくなってきています。

 そのような意見が出るのも国民の心情を考えると当然です。しかし、それは課題解決の本質ではありません。

「本質は何なのか」それは「正義」なのか、考えさせられます。

 個人も民間企業も自治体も国家も、不要な経費を削減する事は当然。しかし、使わなくてはいけない資金は大いに使うべきなのです。みんな理解しています。

 これからも、この問題については情報を発信したいと思います。

   さそり座   ベル    馬   かたつむり
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  1. 2017/2/17

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