
政府が打ち出している「農業・農村所得倍増目標10ヶ年戦略」では、下記のように6次産業化の促進を明確化しています。
「農商工連携・地産地消・6次産業化の市場規模を2020年までに1兆円から10兆円に拡大し、農林水産物の高付加価値化と食品関連産業の成長の取り込みにより、農業・農村の価値の倍増を目指す。また、現実的・具体的な国別・品目別輸出目標に基づき、2020年までに農林水産物・食品の輸出倍増を目指す。」(抜粋)
地域活性化活動の中において、自治体と連携していますが、どのように6次産業化を推進するかという課題については、頭を悩ましている自治体が多いのも事実です。
現状、各県レベルに6次産業化サポートセンター等が配備され、6次産業化を希望する農林漁業者が問い合わせをすると、6次産業化プランナーが派遣され、アドバイスを受けながら総合化事業計画を立案し、認定取得にむけた書類を作成します。(単純に表現していますが、多項目にわたる検討と事業化スキームの作成は、とても大変です)
平成25年7月26日現在の認定事業者数は1497件。
(参照:農林水産省 6次産業化・地産地消法に基づく事業計画の認定について)
これは、あくまでも現時点において、前向きな方々が取組んでおられる状況でありますが、市場規模を10倍にするのであれば、潜在的な農林漁業者の掘り起こしや、大胆な啓蒙活動を展開しなければいけないと考えています。
しかし、様々な地域における6次産業化セミナーは、単発的な成功事例をレクチャーするだけで、参加者は話を聞いたところで、自分が置かれている状況とのギャップを目の当たりにするだけで、自分はどうすれば良いのか、自分には知識的にも取り組みも難しい、と判断してしまう事例が多いのです。
国まかせでなく、地域を把握し、現場の農林漁業者の近くにいる基礎自治体が、推進の原動力にならなければ、一向に進まないと考えます。
そこで、今、連携している青森県十和田市においては、国が用意する6次産業化促進スキームのほかに、地域特有の施策を展開すべきという提案を受入れて頂き、今年度より、十和田市独自の6次産業化支援スキームを展開しております。
(6次産業化サポートセンターやプランナーの方々と連携し、ご尽力いただきながら、市が補足的にできる支援事業を展開しています)
(写真は、ある勉強会の様子:講師は6次産業化プランナーの影山先生)
主な内容としては、地域の農林漁業者のステージ別戦略を展開し、各ステージごとに成長できるよう、グループワーク方式の勉強会を継続的に開催しています。
成功事例を勉強するだけでなく、自らが自らの環境や境遇を踏まえながら、アイデアの出し方や商品開発の知恵、販路の開拓方法などを具体的に参加者同士で話し合いながら進めることで、自分でも取組めるという意欲が沸いてくると共に、自分ひとりで取り組むという孤独感から解放され、地域の仲間意識もでてきています。
今回で3回目を向かえた勉強会では、既に、自分で総合化事業計画を作ってみました。という参加者も出てきたのは、とても嬉しい状況であります。
今ある情報を提供するだけでなく、将来の事業者を育てる(マーケットを育てる)という観点が、必要であり、私たちの考え方を理解いただき、実践いただいている青森県十和田市様には感謝しております。
下記は講義の中のテーマ事例であり、途中からでも参加できるようになっています。
① 6次産業化とは。
② アイデアの出し方。
③ 6次産業化における商品開発動向を考える
④ 顧客のニーズ、ウォンツを探る。
⑤ 食べさせて売る事の大切さ。
⑥ チャネル別の動向を知る。
⑦ コンセプトワーク。
⑧ ビジネスをデザインする。
⑨ 価格設定のコツ。
⑩ 商品仕様書書き方のコツ。
⑪ POPの書き方のコツ。
⑫ プレスリリースの書き方のコツ。
⑬ 地域ブランドを考える。
⑭ 地域連携の取組み方。
⑮ まとめ。
この活動の発想は、地域活性化の為には何が必要か、理想と現実のギャップを埋めるためには何が必要か。という考え方に基づいていますので、他の地域においても取組を推奨したいと思います。
具体的な方法や講師については、お気軽に問い合わせをいただければと思います。
-
6次産業化・地産地消法に基づく総合化事…
2014-06-23
2 -
平成26年度6次産業化促進支援事業(青…
2014-06-19
5 -
十和田市 6次産業化推進セミナー
2014-03-31
14 - もっと見る >>