高知県産業振興アドバイザーとして観光振興協会の課題整理と人財育成の全3回講義を実施。

知人からの声掛けを頂き、高知県東洋町の観光振興を進める為に、高知県の「高知県産業振興アドバイザー派遣制度」の支援を頂き、全3回の講義を開催しております。
主なテーマとしましては、地域資源を用いた自立組織の形成と人財育成であり、国が進めている地方創生の考え方と現状、そして、地域資源を考え、自らの知恵と力で具体的な事業を推進していける体制を作ることを目標にしています。

高知県東洋町は、高知県の海岸沿いで徳島県と接する地域。人口は2749人((平成27年8月末現在)ですが、年間10万人近くのサーファーが訪れる町で、サーフィンの世界大会も開催されています。
郷土料理の「こけら寿司」、名産のポンカン、最近ではイノシシや鹿の「ジビエ」も名産となってきている地域です。

講義には毎回25名程の方々に参加いただいており、行政、商工会、農家、漁師、地域おこし協力隊、郵便局長、郷土料理推進団体、観光関係、旅館・ペンション経営者、飲食店経営者などなど、多くの分野にまたがっていますので、すぐにでも、色々な施策に挑戦できそうな体制があり、楽しみにしています。

集まって頂いた皆様と共に、数多くある地域資源を分析し、ストーリー性をもった推進を進めていきたいと考えております。

■第1回 平成27年10月19日(東洋町役場会議室)
講義テーマ「地方創生における国の考え方と地域活性化について」

東洋町 地方創生アドバイザー 須田憲和

まず最初に、現在の国における状況を把握。
(1) 日本の人口推移
(2) 企業数の推移
(3) 年齢階級別 自営業者の分布
(4) 東京圏への転入超過状況
(5) 過去10年間での就業者数の増減
(6) 過去10年間での産業別・地域別・就業者数の増減
(7) 三愛都市圏における人口移動(転入超過数)と地域間所得格差の推移
(8) 人口減少の要因
(9) 出生率低下の原因
(10)若年層の非正規雇用の増加が与える影響
(11)国際社会にみる日本の助成労働力の現状
(12)海外進出の遅れ
(13)インバウンドの推移と国別推移

これらの基本分析を行った後、「まち・ひと・しごと創生本部」が進める地方創生の取組みと考え方についての講義を行いました。

次に地域資源の認識と分析をする為、まずは参加者の方々に「東洋町」から連想されるキーワードをグループワークで出し合いました。

東洋町 地方創生アドバイザー 須田憲和

※地域特性や観光資源については、各団体が公開しているホームページやパンフレットである程度は推測ができますが、地元の人が感じている物と相違したり、新たな発見をすることが多いので、このようなグループワークは地域づくりに取り掛かる時には必須となります。また、グループワークは、参加者同士のコミュニティ形成にも一役かっています。

東洋町 地方創生アドバイザー 須田憲和

東洋町 地方創生アドバイザー 須田憲和

全部で6チームに分かれ(各チーム4名)、それぞれがコミュニケーションをとりながらお互いの知識や考えを1枚の模造紙に書いていきます。
地元の人同士が集まっているのに、「これなに~?」「知らなかった~」「そうなんだ~」という新しい発見があちこちで飛び交っていました。

次回はこれらの情報を集約して、地域資源を活かすというテーマで、ストーリづくりに入りたいと思います。

■第2回 平成27年11月5日(東洋町役場会議室)
講義テーマ「東洋町の地域資源の活かし方を考える」
東洋町 地方創生アドバイザー 須田憲和

前回にみなさんで作成頂いた「東洋町の地域資源」キーワードを1枚に集約したシートを基に、地域資源の整理と分類を行いました。
次に、以下の内容での講義を最初に行いました。
(1) 東洋町の位置および近隣市町村との関係を再確認。
(2) 将来に向けた取組み模索
① 「ふるさと納税制度」の説明と利活用について
② 年間10万人が来訪するサーファーの動態調査の必要性
③ 複合型の総合施策案の説明

次に、東洋町のキーワードの中から3つの物をつなげたストーリー作りをグループワークで行いました。
単発の物や事を捉えて、それをどうするかではなく、他の物と組み合わせる事で、あらたな発想が出てきます。

東洋町 地方創生アドバイザー 須田憲和

東洋町 地方創生アドバイザー 須田憲和

そして本日の最後は、町の「キャッチフレーズ」を考えるという事で、いろいろなアイデアをグループワークとしてまとめていきました。

※キャッチフレーズは、面白い案がたくさん出ておりましたので、ここでは、まだ公開しない事にしておきます。。。。

地域資源の洗い出しと関連性をもたせたストーリー作り。それらを踏まえての「キャッチフ
レーズ」作りという一連の流れをつくることで、無意識的に自分達の考えるまちづくりがイメージできるようになります。

アドバイザーとしての立場からは、専門的な知識以外、とくにグループワークについては、あくまでもファシリテーター的な指導をすることで、参加者の方々が自らの知恵と力で発想、作り出す喜びを感じてもらえたのではないかと考えています。

■第3回 平成27年11月18日(東洋町役場会議室)
講義テーマ「自立の為に必要な考え方と地域間・団体間連携について」

前2回の振り返りとすると共に、自らが考えて自らが取組むという活動を推進する為に、さまざまな事例を取り上げました。クラウドファンディングのやり方や他団体やグループとの連携手法も説明させて頂きました。
高知県 産業振興アドバイザー 須田憲和 

個々人や個々のグループが取組んでいる事は沢山ありますが、いずれも人的リソースの不足やアイデア不足がある上に、周囲の住民たちからの視線などを意識しながら取り組んでいるので、思うように事が進まない現状があります。
今回のように異業種の方々が集まった勉強会は、1回だけでなく、数回の継続をすることで、そこに新しいコミュニティを創出する事も可能ですし、お互いが連携することも可能となります。
お話しをしている中で、「なんか、私たちでも出来る気がしてきました~」「人をやる気にさせるしゃべり方も勉強になりました。。。」という声もいただき、本当に講師冥利につきます。

ごく自然的に、自分たちで新しいチームを作ろうという話になり、来月には「まちづくり推進協議会」を立ち上げる事になりました。

やることは沢山ありますし、すばらしい資源もたくさんあります。そして一番魅力的なのは、このように頑張っている人達がたくさんいるという事です。

これからもお付き合いのほど、宜しくお願い致します。

このような機会を頂いた高知県産業振興推進部計画推進課の方々、安芸地域本部の方々、東洋町観光振興協会の方々には、心より感謝申し上げます。

高知県 産業振興アドバイザー 須田憲和 

高知県東洋町:http://www.town.toyo.kochi.jp/contents/index.html

高知県東洋町観光振興協会:http://toyotown.web.fc2.com/

 

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