ふるさと納税の推進を考える(Part 2)

 地域活性化の施策提案を行う中で、ふるさと納税制度を利用した施策を打ち出すことや相談が増えています。
 ふるさと納税とは、自治体への寄付行為であり、地域によっては寄付者へのお礼として特産物などをお返しするものですが、一部では過当競争になっているのではないかと危惧する面々もおられます。
 
 しかし、地域特産物の推進を図るには最良の手段と考えています。首長が自ら特産物をトップ営業するには限界がある上に、人がPRを行う訳ですから商品にも偏りが発生します。
特産物を提供する事業者も、都道府県もしくは市町村の名代にかえて自分の商品を提供するわけですから切磋琢磨する上に、他事業者に劣らない商品開発や販売努力を行うという波及効果が期待できます。

 自治体の組織の中には、特産物のPRや販売拡大による産業振興を目指す部署があります。これらの担当者は常日頃から、事業者と一体となり、販路拡大をめざし、時には一緒に首都圏へ出かけ、販売フェアなども行っています。また、観光推進の担当者もPRや誘客営業などの努力を重ねています。
 そういう担当者からすると、このふるさと納税を使った拡大施策はとてもありがたい制度なのですが、意外にも市長が「ふるさと納税の商品返礼はしない!」という方針を打ち出している地域では、現場の職員が、どれだけ効果が高いかを知りながらも、市町の考えに封じ込まれていて、意見もできないという所があります。地域産業の振興の為には重要な手立てですが、断固として譲らない姿勢については、議会からもしっかりと考え方と、それに代わる効果の対策について質問をぶつけてほしいと思います。

 ふるさと納税の反対論者からすると、「あくまでも寄付金であることは間違いない。善良なる第三者からの寄付に対して特産物をお礼で返礼し、寄付者は寄付金控除を利用して地方の産物をほぼ無料で受け取れる制度を、特産物販売促進のためと謳って悪用しているのではないか。」ということです。

 そもそも、ふるさと納税が制度として適用されたのは、首都圏への人口集中により地方間格差が広がっている事が発端でした。当時は特産物を返礼するという所もありませんでした。しかし、昨今においては、「地方の活性化なくして日本の再建はあり得ない。」とも言われており、地方活性化については国を挙げて取り組んでいる状況でもありますので、いろいろなアイデアや成功事例を共有して、展開することが必要と考えます。

 ふるさと納税を利用した地域活性化についての手法は、地域の抱える事情によって、全く違いますので、コンサルする立場においても常にフレッシュな気持ちで取り組めますので嬉しく思います。
 なんといっても地場産業の方々の協力が無ければ、自治体単独ではできないのですから、地域間の連携を構築する楽しさは、何にも代えがたい事であります。

 補足ですが、ふるさと納税の担当窓口は「納税課」に任せるのではなく、自治体の地域振興戦略に係わる部分ですので、「地域振興課」や「企画財政課」等の産業振興や観光推進にも関連する部署が担当することが望ましいと思います。

宮城県亘理町にふるさと納税したところ、今年は下記の物が送られてきました。
  ふるさと納税 コンサルタント 亘理町

そして上蓋には、亘理町としての思いや亘理町推奨品といったマークも貼られています。
  ふるさと納税 コンサルタント 亘理町

同封物の紙には、この商品の生産者の名前と電話番号が記載されており、直接、連絡がとれるようになっています。

(以前に書いた記事もあります)ふるさと納税の推進を考える 1
http://ameblo.jp/localcreation/entry-11476173710.html

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