長野県飯田市にある、農産物の受託加工の先駆者である小池手造り農産加工場の小池芳子会長にお会いさせて頂きました。
http://www.koike-kakou.co.jp/
私も6次産業化プランナーとして様々な農業生産者と加工・製造・販売についての取り組みをしておりますが、どう在るべきかという自問自答を繰り返しながら対応させて頂いております。
そのような中、30年近くも受託加工をされている池田芳子会長にお話を聞くことができて、自分の胸の中にある数多くのわだかまりに光が射したような気がしました。
小池手造農産加工所では、全国の農家から2500件以上の受託加工をされてきました。
設立当初はパート2名で年間1000万円程度の売上でしたが、今では35人で年間3億5000万円以上売り上げておられます。
私も、いくつかの案件を抱えていますので、具体的な加工料金をお聞きしましたところ、想定以下の価格となっていました。
もっと高い料金を取るところはいくらでもあるのに、何故、そのような価格なのか、お聞きしました。
「受託加工は、農家さんが持ってきた作物を加工して農家に渡します。加工所は、加工料を頂くわけですが、その商品が売れなくては、加工注文が途絶えてしまいます。まずは農家さんに利益を上げていただく事が最優先です。経営を維持するのに必要な利益以上に取る事はせずに、地域の農業を元気にする為に取組んでいます。」
また、相談者の中には、工場内で使用している機械のことばかり一生懸命に聞く人がいるとの事でした。しかし、機械が同じでも、当然、いい物は出来ないのです。
たとえ、加工に伴うレシピを渡しても、同じ味は作り出せないので、そこが小池会長の加工所の絶大なる存在価値になっているとわかりました。
「農業を元気にする為」「地域を元気にする為」に農業者の生産物を受け入れ、数多くの経験と確かな味作りで、多くの農家の方々へ希望をお届けされています。
加工所に持ち込まれた作物だけで加工しているので、少量にも対応でき、手作りにこだわり、しかも、素材を活かすために無添加で製品化されています。
また、品質表示などの問題も対応しており、ラベルや包装もオリジナルの商品づくりが簡単に出来るように農家の方々を支援されています。
全国には、自治体が中心となって設立した加工場が多数ありますが、ほとんどが、時間が経つに連れ、商品数が減少し、労働者が退職していき、使い道を失った施設が沢山あります。
それらには、ちゃんとした原因があると明確に教えていただきました。
そのような中、働き手さんを大事にされている点においても運営方法のヒントを頂きました。
小さいお子さまのいる主婦の方は、子供の送り迎えや対応で時間が取られます。そのような方でも、ちゃんと働ける環境を作られています。
これからは、たとえ男性といえども、両親の介護等で時間を取られる事が多くなりますので、労働環境についての取り組みについても、素晴らしい考え方で運営されていました。
加工では、素材を活かしながら、しかも無添加で商品開発するため、いわゆる「味」の決め方には独特のノウハウがありました。
地域の活性化の為には、農家と加工所が連携するだけでなく、直売所や朝市などとの連携施策も必須であります。
まさに地域づくりを実践されているモデルともいえます。
たくさんの本も出版されているので、残念ながらブログでは、素晴らしい技術や取り組み方法を掲載する事ができませんが、プランナーをしている立場でも「目から鱗が落ちる」感じでした。
小池会長様には、講演活動等々のお忙しいさなか、お時間を頂いた上、加工所の在るべき考え方をご指導いただいた上、多くの試食もさせて頂き、本当に有難うございました。
頂いた智恵を幅広く活かしたいと思っています。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
1. 無題
小池会長は、母の姉ですブログ、拝読させて頂きました。ありがとうございました。
http://ameblo.jp/dentist-tsukasa/