「協議会アドバイザー」という人が必要な理由。


 全国の自治体と官民連携による地域活性化の取組をお手伝いさせて頂いており、特産物開発支援や地域ブランド推進、農商工連携、農商観連携、6次産業化促進支援をはじめとして様々な分野における地域活性化について、携わらせていただいております。
 
 自治体と、まちづくりについての課題について会議をさせて頂く中で、いくつかの地域で共通する課題があることに気付きました。

 地域づくりや活性化は、行政が単独で行えるものではなく、地域ぐるみで取組む事が必要ですが、その為のアドバイザーが絶対的に不足しているという事です。

 一般的に言われている事で、私も常日頃思いますが、個別の施策はしっかり企画・検討され実行されていますが、あくまでも単独施策となっている為に、他の施策との波及効果を発揮できないという事例が多くあります。
ひどい場合には、住民から、無駄なお金ばかり使って効果がない。とか、意味の無い事ばっかりやって。という声を聞く事も多いと思います。

地域に入り込む場合は、地域資源発掘や魅力発見の調査をまず実施しますが、私の場合は、物・歴史・産物・文化に目を向ける前に、「人」に着目して将来における突破口を見出せるかどうかを考えます。

 どれだけ優れた地域資源があっても、その地で生活している人たちが自ら魅力を感じ、理解し、磨き上げ、発信しなければ、本当の「宝の持ち腐れ」となってしまいます。

 首都圏からみると素晴らしい環境や食文化があるにも係わらず、昔からその場で生活しているために、何も感じないという事が実際に多くあります。この現象に気付いている地域リーダーは、首都圏との交流促進や意見交換を積極的に展開している事例もありますが、あまり機能していないと考えます。

 さて、本題ですが、自治体は、自らが作成した地域づくりのテーマや推進の為のキャッチフレーズなど(「住民が参加するまちづくり」や「自らが参加できるまちづくり」等々)様々なキーワードを設定して取組んでおられますが、果たして、「その目標にむけて活動して成果が出せる組織体制になっていますか?」という疑問をもちます。

 地域には必ず、幾つかの団体や協会、委員会、スポーツ団や愛好会など多数の組織があり、自治体も少なからず、何らかの支援をしたり、あるいは協力を要請したりして共存していると思われています。

 しかし、それらの組織体の中で、昔からある物については、
はっきり申しまして、「組織疲労を起こしている。」といわざるを得ません。

 各組織の年配層は、保守というか消極的な方が多く、若者が参加してきても意見できないとか、軽くあしらわれてしまうとか、最悪の場合は雑用係にされてしまう等の事例も散見され、このような形が組織を滅ぼして行く姿は、皆さんも容易に想像がつくと思います。

 これでは、若者が入る余地もないですし、新しい発想や新しい取組が出来るわけもありません。

しかし、自治体としては、それらのグループを機能させて本来の姿にする事が、自らの仕事を実現させる上において、最も重要で早道な事に気付いているはずです。(職員からは、あそこの団体はダメなんですよね~という話しをよく聞く事があります)

そこで、私が、地域活性化の中で絶対的に必要な仕掛けの一つとして考えているのが、「協議会アドバイザー」「委員会アドバイザー」の存在です。

(このアドバイザーは、学者や各種セミナー講師や地元の大企業の経営者の方々では、意味がありません。)

 アドバイザーとなる人は、地域外の人で、多種多様な行政課題に実際に取組んだり、地域活性化について自分で汗を流しているような人が適任です。

 ファシリティターとして、沢山の経験値を心に秘めながら、参加者の考えを呼び水のごとく導き出し、参加者自らが発言できる環境を整え、当事者意識を醸成する。答えは参加者自らが導き出す。

 そして自由な発想と挑戦意欲により、モチベーションを上げていく。
なによりも大事なのは、参加している人たちの「一体感」を作り出すという事です。

 果たして、今の組織で、このようなことを考えている人がいるでしょうか?
「理解しているが出来ない」とか「一人では今更、動かせない」とか、言い訳が聞こえてきそうです。

 自治体にとって、地域内各種団体やコミュニティは、最も大事な地域資源であるにもかかわらず、自らが手を入れられない事情があります。
ですから、私の言う、アドバイザーを投入して、活性化の糸口を探るという事を推奨いたします。

※ 組織運営の維持や活性化はとても大事な事です。
とりあえず「第三者の参加で違う視点を取り入れる。」とか、「首都圏の方と意見交換する」とか「有識者に参加してもらう」とか、一過性の取組では、更に、参加者の当事者意識を薄くし、一体感が喪失していきます。(あの人は所詮、他人だから・・・)

 あと、組織構成にありがちなのが、地元の有力者や比較的大きな企業の経営者が役職者として名板貸しするパターン。
ちゃんと参加すればいいのですが、全然、会議に参加できないのであれば、過去の実業に敬意を表した上で、身を引いて頂く花道を作るべきと思います。

誰が、この組織を活気付け、誰が運用していくのかを考えれば、自ずと答えは見えてきます。
現存の組織の方が一人で改革するのはとても難しいことです。
是非、一緒に取組みましょう。
お気軽にお声がけください。

       特定非営利活動法人 元気な日本をつくる会
       組織運営本部 須 田 憲 和 
     n-suda@powerful-japan.org

   須田憲和 協議会アドバイザー

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